中小企業のIT活用指南 経営コンサルタント、セミナー講師 合同会社エムアイティエス(水谷IT支援事務所)
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水谷IT支援事務所TOP > 執筆(Web) > 2004年7月

ちょっと待って!本当に必要なのですか?

IT導入に関する相談がよくありますが、中には本当に必要なのかと疑いたくなる相談が多々あります。営業日報で悩んでいる会社の事例を紹介しますが皆さんの会社でも似たようなことをやっていませんか?

ある会社の社長から相談にのってほしいと依頼があり訪問しました。

「すいません。ちょっと困っているのですが」
「どういったことでしょうか。」
「営業マンに帰社したら日報を書くように言っているのですが、なかなか書かなくて困っています。携帯電話などで営業報告できるシステムがあると聞いたので、そういうのを導入できないかなと思いまして」
「社長さん、何のために営業日報を書かすのですか?」
「営業が会社の要(かなめ)ですので営業マンから得意先への売り込み状況を把握したいと思いまして。」

営業日報、本当に必要ですか

この会社の営業マンは4名で社長が直接、営業マンを管理する組織になっております。週1回営業会議を開いていますが、もう少し細かく把握したいと社長が考え営業日報を書かせるように先日変えたそうです。

「社長さん、営業マンが帰られる時間帯は外へ出ていることが多いですか?」
「いや、大体は会社にいますが」

ということですので、16時頃にもう一度その会社に行ってみました。行ってみると社長は社長室で色々な書類整理などをしていました。

「社長さん、その仕事は今やらないといけない急ぎの仕事ですか?」
「いや、時間のある時にかたづけておこうと思いまして。」
「それなら社長室から出て、そこに座ってください。」と営業マンの空いているイスに社長を座らせました。

やがて夕方となり、営業マンが帰ってきました。自分のイスに社長が座っているのでビックリしています。

「ああ、ごくろうさん。今日はどうやった?」
「ええ、A社からは見積依頼が出そうな状況まできました。できたら社長からもう一押ししてほしいのですが」
「A社か、明日にでも先方の社長に電話してみよう。」
「お願いします。」

また別の営業マンが帰ってきました。社長が営業のイスに座っていますのでビックリしています。

「社長、どうしたのですか?」
「ああ、ごくろうさん。今日はどこを回ってきたんや?」
「B社とC社です。B社ではバッタリとライバル会社の営業マンと会いました。同じようにアプローチしているのですね。相見積もりで勝負になるかもしれません。」
「受注しようとすると、少し利益率を下げてでも狙わんとあかんかな。よし、ここまで値下げして再提案しよか。これで駄目ならあきらめよ。」

社長は続々と帰ってくる営業マンをつかまえて報告を聞き、次の対策が必要なら指示を出しました。ひと段落したところで社長に声をかけました。

「社長さん、携帯電話で営業報告できるシステム導入どうしますか?」
「いじめんといて。それから営業日報も止める。ウチみたいに所帯が小さな会社で社長室におって報告を受けるのが、もともと間違いや。」

IT導入の前に再チェック

いかがでしたか?社長が社長室を出るということだけでしたが、社内のやり方を変えることで目的を達成することができました。事例の会社では営業日報を書かせることが目的ではなく、社長が営業状況を把握することが目的でした。

目的を達成するために必要なIT導入であればかまいませんが、目的を達成するための手段を目的にしまい本末転倒なIT導入がよく行われています。これを当事者は意外と気がついていません。IT導入の前にもう一度目的を再チェックしてみてください。


水谷IT支援事務所TOP > 執筆(Web) > 2004年7月



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