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データ保存はカセットテープがあたりまえだった

みなさん、外部記憶装置といったら何を連想しますか?

プログラム用カセット

CD-R、USBメモリー、外付けハードディスクといったところでしょうか。今はやりのiPodも外部記憶装置として使うことができます。

今ではたくさんの記憶媒体があります。ところが25年ほど前、データはカセットテープに録音して保存していました。そうです、今ではほとんど見かけなくなった、あのカセットテープです。

15分録音のカセットテープ

15分録音のカセットテープで32Kバイトぐらいのちょっとしたプログラムの保存ができました。そのためパソコンショップの店頭では、15分の生カセットテープがパックで売られ、ゲームなどもこの15分テープの形で販売されていました。

現在ではフリーのゲームソフトでも容量がメガ(10の6乗)の単位ですので、記録しようとすると15分カセットテープが1000本必要な計算となります。

マイコン1978年3月号

また当時、パソコンと言う言葉はなく、マイコンと呼んでいました。現在とはだいぶ形状も異なり、ディスプレイーもマウスもキーボードもありませんでした。基本的にむき出しのボード(基盤)で売られていました。

LKIT-16(パナファコム株式会社)という16ビットマイコンが売られていましたがこのマイコンにはプリンタ、テレビ、カセット、テレタイプへつなぐインターフェースがついていました。

ソフトウェアはBASICとアセンブラが使え、キーボードにはアルファベット、数字、記号が並んでいました。アルファベットはABC順です。主記憶装置が0.5K語という貧弱な容量で本体価格が98,000円。別売の電源装置が17,000円でした。

マイコン雑誌には16進数でゲームプログラムのコードが載っていました。これを忍耐強くコンピュータにひたすら入力して遊びました。遊ぶ時間よりも入力時間の方が長いのが実態でした。


カセットテープへ保存する

電源を落とすとせっかく入力したプログラムが消えてしまうので、これをカセットテープに保存します。コンピュータはデジタルですが、カセットテープはアナログです。そこで音に変換して保存します。

プログラムを読み込む時は反対にテープを再生すると「ぴーひょろひょろ」という音が流れコンピュータにプログラムが入っていきます。現在のFAXを聞いている感じに近い音です。

ところが少し長いプログラムですと『テープ・リード・エラー』 がよく発生しました。こうなるとまた最初からやり直しです。コンピュータの前で『エラー出るな!』と念じながら15分間、画面を見ながらひたすら待ちます。エラーが出たら、また15分間やり直しで、待つことになります。

テレビやラジオからプログラムが音で流される

当時、テレビやラジオでマイコンの番組が放映されていました。番組の最後に 「今日学習したプログラムを今から流しますから録音準備してください」と案内があり、これをカセットテープに録音してコンピュータで読むと、ちゃんと動きました。何とも牧歌的な時代でしたね。

フロッピーは既に登場していましたが大きな8インチサイズで、20万円近い価格でした。とても手が出せる価格ではありませんでした。

1978年のマイコン雑誌にフロッピーについて書かれた記述があります。『フロッピーは片面しか記録できなかったのがようやく両面で使用できるようになってきた。ただフロッピーはガタガタ揺れるような環境やゴミの多いところでは使えず信頼性も悪いし、大体値段が高すぎる。当分はカセットテープだな』今では考えられないような時代です。

→ Yahoo!は横綱・曙から生まれた

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