中小企業のIT活用指南 経営コンサルタント、セミナー講師 合同会社エムアイティエス(水谷IT支援事務所)
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ITで地域は元気になる

ステップサーバ 日本”元気印”増産プロジェクトで2009年7月〜2010年3月に連載していたコラム記事です。


ITで地域は元気になる! No4地域活性化のカギは外へ出ること


地域活性化をテーマに各地でセミナーが行われています。

地域活性化セミナー

主催は行政や商工団体で、地域の成功事例について実際に取り組んだ人を招いて話してもらうセミナーです。セミナーを通じていろいろな気づきが得られますが、問題は講演後です。講演が終わると質疑応答が行われますが、ほとんど質問が出ません。またセミナー終了後に講師のところへ出かけて名刺交換しながら立ち話する風景もほとんど見かけません。

ごくまれに講師と立ち話しながら、「訪問させてもらって現場を見せていただけませんか」と講師に頼む受講者がいます。地域活性化には自ら現地を見に行こうと行動することが大切です。

地域活性化のカギは外へ出ること

地域が活性化しているところは、東京からコンサルを呼んでノウハウを学んだわけではありません。自ら外へ出て行きました。葉っぱビジネスで有名な上勝町も同じです。

上勝町はミカン栽培が盛んでしたが冷害とオレンジの輸入自由化で大打撃。そこで市場へ出かけてみました。標高が高い(温度が低い)上勝町の野菜と平地の市場に並んでいる野菜が違うことに気がつきます。つまり市場にネギがない時にネギが出すと高く売れます。標高差を利用した少量多品種の野菜作りと販売を始めました。

今度は平地ではなく関西の市場へ行ってみました。たまたま入った大阪の「がんこ寿司」でツマに添えられていた紅葉の葉っぱから「葉っぱビジネス」が誕生します。

皆、自ら外へ出かけ、マーケットのニーズに気がつき、ニーズにあった商品を開発することで地域活性化につなげました。多くの失敗を繰り返しながら、少しずつ微調整して成功の道を探しました。次は「モクモク手づくりファーム」を事例にみてみましょう。

年間50万人が訪れる伊賀の里モクモク手づくりファーム

「忍者ハットリくん」は伊賀忍者の出身ですが、その忍者の里である阿山町(三重県伊賀市)にモクモク手づくりファームがあります。

忍者の里ですので、山に囲まれた盆地になっています。戦国時代、織田勢が攻めてきても得意のゲリラ戦で打ち負かしていました。攻めあぐねた織田信長が4万5千の大軍を率いて伊賀を平定したのは「本能寺の変」の9ケ月前、天下統一の目前でした。

信長も苦労したほどの山間の町である阿山町の人口は8000人。ここに年間50万人が訪れます。50万人と言えばテーマパークや遊園地並みの集客力です。モクモク手づくりファームを訪れると、ウィンナー作りやパンを石窯で焼く体験ができ、レストランで農村料理や伊賀豚の料理が食べられ、温泉に入って宿泊することができます。

各地を視察、研究し伊賀豚が誕生

モクモクファーム

今や大成功のモクモクファームですが、もともとは養豚農家を中心に19名が出資して作った農事組合がスタートです。1971年に豚肉輸入が自由化され、安い輸入豚に対抗しなければお先は真っ暗。松阪肉がビールを牛に飲ませて霜降りにしブランド化していることに目をつけ、取り組んだのがブランド豚作り。各地のブランド豚を視察して研究しました。後は試行錯誤の繰り返し。豚の餌に中国の甘蔗(かんしょ)を入れてみましたが糞ばかり多くなり大失敗。

失敗の連続の中から木酢液と炭にたどりつき、餌に混ぜてみたら豚肉の味がさっぱりして美味しくなりました。美味しくて安心な伊賀豚の誕生です。苦労して伊賀豚を生み出しまたが、100g100円のお肉が120円になっただけ、さっぱり儲かりません。

そこで次に乗り出したのが加工です。「ハム工房モクモク」を立ち上げます。この時に現在のモクモク手づくりファームが生まれました。

知名度がないソーセージが体験教室で売れ出す

1億4千万円を工場に投資し、安全・安心でいい商品を作りましたが、知名度がないハム、ソーセージはさっぱり売れません。チラシを作り、あちこちに出かけて商品の良さを営業して回りました。そんな中、幼稚園のPTAのお母さんからソーセージ作りを体験したいができないかと問い合わせがあります。

ハム工房の作っているところへ来られても迷惑だという意見もありましたが、せっかくなので体験教室をやってみると、自らソーセージ作りができる楽しさが大受け。これが現在も続くソーセージ作り体験教室のスタートで日本初でした。

消費者は工房でソーセージ作りをすることで生産者の顔を見て、生産現場を確認できます。これで安心・安全で本物のこだわりが直接伝わり口コミで拡がっていきます。また体験教室の帰り、お土産にハム、ソーセージを買ってくれるようになります。これで経営が軌道にのるようになりました。

そんな中、せっかく体験教室に来たので食事もしたいという声があり、だったら伊賀豚やソーセージを焼くバーベキュー施設なら簡単に作れると、作ると集客が増えました。

アメリカを視察して地ビールとレストランをスタート

細川内閣時に規制緩和で地ビールが解禁になった時、多くの地域では地ビール作りのコンサルに安く大量生産できるよう輸入モルトを使ったビール作りをすすめられスタートしていました。そんな中、モクモクは地ビールの先進地であるアメリカまで視察に出かけます。

現地を見てみると、輸入モルトを使っていたところは皆、失敗していました。そこで少量生産になってもいいので麦芽づくりから始めることにします。またアメリカでレストランを併設しているとこが成功しているところに目をつけます。

モクモクのバーベキューハウスにはキリンもアサヒもありません。あるのは地ビールだけ。ビールを飲みたいなと思ったら地ビールを頼むしかありません。アメリカの成功例をきっちり実践しています。

ホームページで視察プランを受け入れ

モクモクではホームページをいちはやく開設し、ミニブタダービーなどのイベント情報を発信。モクモクメールマガジンの発行などマーケティングにフル活用しています。

今では体験教室や宿泊のネット予約が可能。それだけでなくホームページで視察を受け入れており、年間の受け入れ件数は300件。しかも有料です。日帰りプラン、食事付き日帰りプラン、特別宿泊プランと整っていて、創業から今までの取り組み、現在の姿、今後の事業展開などを説明してくれます。

人口が多くインフラが整っている都会で商売するのと、何もない地域で商売するのでは商品作り、宣伝などマーケティング手法が異なります。地域での売り方は地域にこそヒントがあります。地域を活性化しようと思えば、成功した地域へ出かけて、どんな取り組みをしたのか、どういう失敗をしたのかを聞き出し、自分が住む地域へ応用しなければなりません。

上勝町の株式会社いろどりのホームページにもしっかり視察案内があり、研修視察サービス手数料をとっています。宿泊施設の案内も充実しています。数多くの視察申込を受け入れるにはコース化するしかありませんが、視察さえも商売にしていくという姿勢こそが見習うべき点でしょう。

No3創意工夫を凝らし地域でがんばる | No5お金が外から地域へ流れる仕組みを作る
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