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Web2.0とは ロングテール理論

「うぇぶ・にーてんぜろ」という言葉をお聞きになったことはありませんか。文字ではWeb2.0と書きます。

2.0というとソフトウェアのバージョン番号のようですが、来る第二世代のWebという意味で使われています。一つ前の1.0は、現在のホームページに代表されるWebのことで第一世代、Web1.0と呼ばれています。

Web2.0に明確な定義はありませんが、どういったものをWeb2.0と呼んでいるのかみていきましょう。まずはパレートの法則というのをご存知ですか。

パレートの法則とは

パレートの法則は別名、「2:8の法則」とも呼ばれる経験則で、マーケティングでよく使われています。お店の売上を分析すると「全顧客の20%が売上の80%を占めている」ことがあります。お店としては20%の顧客を囲い込み、ロイヤルカスタマーとして固定客にしていかなければなりません。

例えば、クレジットカードにはプラチナ、ゴールドなどの顧客別会員カードがあり、特典は他のカードと差別化されています。また得意客だけ招待する特別の販売日をもうけたり、誕生日に特別なクーポン券を渡すことでロイヤルカスタマー作りをしています。銀行が普通の顧客は窓口対応ですませますが優良顧客を応接室に通し、支店長が対応するのと同じです。

ネットでは何が起こったのか?

パレートの法則は分かりやすく、皆が経験的に感じていることでもあり各分野で使われています。例えば、本屋では店舗面積から並べられる本の点数が決まります。売り上げを伸ばすためには、売れない本を返本し、よく売れる本を置いて商品回転率を上げなければなりません。そこでハリーポッターなどのベストセラーを取次からいかに配本してもらうか仕入れの勝負になってきます。つまりパレートの法則が前提です。

ところが、本のネット販売が始まるようになり事情が変わってきました。本のネット販売でも、やはり町の本屋と同じでベストセラーがたくさん売れます。売れ筋商品はリアルでもネットでも変わりません。ところが違っていた部分があります。町の本屋では売れないということで返本の対象となる商品、いわゆる死に筋商品です。

ネット販売の場合、売り場はウェブサイトになりますので、地価の高い一等地に出店する必要はありません。地価の安い土地に物流を備えた倉庫を用意し、注文に応じて顧客に配送します。

売り場の効率化を考えずにすみますので、町の本屋では手に入らない学術書や専門書などをウェブサイト上の棚に並べることができます。東京駅前の八重洲ブックセンターが150万冊の品揃えですが、アマゾンでは書籍だけでも800万冊以上があり、おまけにユーズド(古本)も揃え、これは出品者の家が倉庫になりますので、まさに無尽蔵の広さをもつ本屋が出現したのと同じです。ネット書店ではリアルなお店では死に筋ということで捨てていたニッチ商品を棚においておくことができます。

ロングテール理論へ

結果、どうなったかと言えばパレートの法則では売上の20%しかないと重要視していなかった部分が無視できない売上になりました。恐竜の尻尾のようにずっと右の方にまでニッチ商品が並び、チリも積もれば山となるで、大きな売上になります。恐竜の長い尻尾のように見えることからロングテール理論と名付けられました。Web2.0の代表例としてよく使われています。

では、ロングテール理論をどうビジネスに生かせばよいのでしょうか。ニッチ商品があるのなら、手間をおしまずウェブサイトに掲載することです。人数は少なくても、きっとそのニッチ商品を探している人がいます。また、ただ単純にニッチ商品を掲載するだけでなく、その商品を探している人が検索時に使いそうなキーワードを商品説明に書いておくことです。

企業としてウェブサイトやブログで情報を発信しているのであれば継続することです。過去に作成したウェブページは検索エンジンに登録され、トップページに出ていなくても、ニーズのある人が検索エンジンでたどりつきます。

ロングテール理論をビジネスに活用するのなら、「情報発信を続け、継続すること」まずこれが第一です。


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