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ITで地域は元気になる

ステップサーバ 日本”元気印”増産プロジェクトで2009年7月〜2010年3月に連載していたコラム記事です。


ITで地域は元気になる! No6ハードよりソフトで地域活性化


民主党が「コンクリートから人へ」というスローガンを上げ、事業仕分けに取り組んでいますが地域もハコモノではなくソフトで活性化する時代です。

そうは言っても、我が町には外から集客できる観光地もなければモノもない。と考えず、なければ作りましょう。

200万人が集まる「YOSAKOIソーラン祭り」

運動会や体育祭で少し派手な衣装を着て鳴子を持ちソーラン節を踊る「YOSAKOIソーラン」が行われていますが、もともとは札幌で始まったYOSAKOIソーラン祭りが原点。北大生が高知県で「よさこい祭り」を初めて見て町中が盛り上がるお祭りに感激し、これを札幌でもやろうと「よさこい祭り」とソーラン節を合体。「よさこい」の鳴子を持って踊り、ソーラン節のフレーズが入ればOKというルールで、チームで競う祭りにしました。学生が中心となって各方面に声をかけ開催に向けて動き出します。

よさこい祭り

しかし、なんで札幌で高知の「よさこい祭り」なんだと理解が得られず、なんども警察へ道路の使用許可をお願いをしたり、苦労の連続。ようやく開催した第1回目の参加チームは10チーム、参加者は1,000名。過激な衣装やパフォーマンスが魅力で、祭りを見に20万人が訪れました。

今や「YOSAKOIソーラン祭り」は、初夏の札幌の風物詩となっていて「札幌雪まつり」に並ぶ大イベントです。参加チームは300を超え、200万人が集まるイベントになり、経済効果は200億円以上。これが各地へも伝播し、体育祭のプログラムにも入っています。

津市(三重県)では昔から津祭りがおこなわれていましたが、津青年会議所が主体となり平成10年から祭りの一部がとして「安濃津よさこい」をスタート。大いに盛り上がっています。この「安濃津よさこい」の会場設営や司会など運営を担当しているのがYOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会です。札幌という枠を超えて、全国に広がっています。

ブラジルが体験できる群馬県大泉町

群馬県にある大泉町は日系ブラジル人の在住比率が日本一。総人口42,000人の町で、外国人比率が16%になっています。大泉町では、かって戦闘機「隼」や九七式艦上攻撃機を作っていた中島飛行機・小泉製作所があり、戦後は積極的に工業団地に企業誘致を行いました。結果的に多くの電機機器・輸送機器の企業が集積。工場で働くため来日したのが日系ブラジル人です。

町にはブラジルの飲食店やスーパーが並び、町並みの一角はまさにブラジルになっています。このブラジルの街並みを活用しようと町がJTBと組んで始めたのが「ブラジル横丁」です。屋台村を作り、町を訪れた人が気軽にブラジル料理を楽しめ、町を日系ブラジル人が案内します。また町の祭りの一つとしてサンバを以前から行っていましたが、見るだけでなく参加できるカルナバル(サンバカーニバル)に模様替えしました。

飛行機でブラジルへ行かなくても、都心から2時間でブラジルの雰囲気が楽しめるようになりました。中にはブラジルへ赴任が決まった人が予行演習で町を訪れるケースもあります。

次は工場を観光資源にする取組です

工場を集客資源に

暗闇の中で瞬く工業地帯のネオンを見ていると映画「ブレードランナー」を想起します。夕闇に浮かぶ工場やメタリックな雰囲気をただよわす工場を見に行く「工場萌え」がブームになっています。ここから派生してきたのが工場見学・産業観光です。昔からビール工場などの工場見学はありましたが、普通の工場を観光資源にしてしまおうという動きが出ています。

工場へ修学旅行生を誘致し始めたのが東大阪市。東大阪の企業26社で「東大阪教育旅行おもいでづくりサポートプロジェクト連絡協議会」を作り、JTBが全国で営業。さっそく第一号の山形工業高校生が東大阪の町工場を訪れました。まずは人工衛星「まいど1号」ですっかり有名になった株式会社アオキへ。青木社長の大阪弁たっぷりの講演に聞き入った後、いろいろな町工場を訪問。現場で働く職人の姿を見て、生産効率化の取り組みなどを学ぶプログラムです。

中小企業の町といと商談会などBtoBをすぐ考えがちですが、発想を変えてBtoE(Education)にしています。こういった柔軟な発想が重要です。

はしご酒スタンプラリー

お酒

何の特色がない町でもいろいろな取り組みが行われています。例えば商店街にある居酒屋さん。人口が減っている地方ではこのままだとお客さんが減っていくばかり、また交通法規の厳罰化で今まで来ていたお客さんの足も遠のいています。

新しいお客さんを発掘しなければなりませんが、一朝一夕で出来るものではありません。そこで考え出されたのが「はしご酒スタンプラリー」。

今や多くの商店街で行われています。各地でやり方は違いますが、参加者はチケット(前売りもあり)を買い、参加店のマップを元に指定されたお店を3店ほど制限時間内に回ります。回ったお店ではワンドリンクと簡単な「おつまみ」が出ます。

店主と会話し、酒を楽しみ店を出る時にスタンプを押してもらいます。会場へ戻ると抽選を行っていますのでクジを引いて賞品をゲットするベントです。

お客にとっても初めての店は入りにくいものですが、「はしご酒スタンプラリー」では店が指定されているので今まで入ったことのない店を訪れることになります。店主にとってもお客にとっても最初のきっかけ作りになります。もう一度行きたい店と思ってもらえば、店にとっては新規顧客の確保となります。

ハコモノのようにお金をかけずに、地域を活性化するやり方はいろいろとあります。ぜひ皆で知恵をしぼりましょう!

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